タピオ・ヴィルカラ 世界の果て
フィンランドのアーティスト、タピオ・ヴィルカラの作品の魅力に迫ります。
休館日 | 月曜日(ただし5/5、6/9は開館) |
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開館時間 | 10:00 - 18:00 ※金曜日は20:00まで開館 ※入館は閉館30分前まで |
Exhibition Overview
展示概要
東京ステーションギャラリーにて開催の、フィンランドのモダンデザイン界で圧倒的な存在感を放つタピオ・ヴィルカラ(1915-1985)の日本初回顧展です。1940年代後半から1950年代にかけて、イッタラ社のデザインコンペ優勝やミラノ・トリエンナーレのグランプリ受賞によってヴィルカラは一気に脚光を浴びました。デザインのフィールドはガラスのほかに磁器、銀食器、宝飾品、照明、家具、グラフィック、空間まで広くおよびます。数多くのドローイングやプロトタイプを重ね、あらゆる素材に向き合い、触覚と視覚を鋭く働かせて生みだす洗練されたフォルムはヴィルカラの作品の見どころです。
セラミック・アーティストの妻ルート・ブリュック同様、ヴィルカラはラップランドの静寂をこよなく愛し、生命の神秘や大自然の躍動から得た着想は、「ウルティマ・ツーレ」(ラテン語で「世界の最北」を表す言葉)をはじめとする名作を誕生させました。また、神話をモチーフにしたガラスのオブジェや、自ら開発した積層合板「リズミック・プライウッド」を用いたオブジェ、土や風すら味方につけるランドアートには、プロダクト・デザイナーとは異なる表現者の顔をのぞかせます。
本展は、エスポー近代美術館、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団およびコレクション・カッコネンから厳選したプロダクトやオブジェ約300点に加え、写真やドローイング(複写)を展示します。デザイナー、彫刻家、造形作家としての、繊細にしてダイナミックなヴィルカラの魅力に迫ります。
Sections
章立て
ヴィルカラへの扉
ヘルシンキのオフィスにあった愛用品や、作品の着想源になったものなどを紹介します。

👉ヘルシンキのオフィスの扉、
1974年 Private collection.
© Ari Karttunen / EMMA
素材のすべてを知る
ガラスや磁器のテーブルウェア、シルバーやステンレスのカトラリー、商品のボトルやパッケージ、機内用のプラスチック製食器、照明や家具、ゴールドのアクセサリー、紙幣やグラフィックにいたるまで、ヴィルカラは異なる言語を巧みに操るかのように、あらゆる素材であらゆるものを手がけました。約200点を一堂に並べ、プロダクト・デザイナーとしての彼の仕事を振り返ります。
心のよりどころ
1960年代、ヴィルカラはフィンランドの最北地ラップランドのイナリにも居を構え、ここで心身を休めながら仕事に向き合いました。静寂と孤独のなかで研ぎ澄まされた感覚は、重要な作品の誕生にもつながりました。ヴィルカラが使用した道具やセラミック・アーティストの妻ルート・ブリュックがラップランドをイメージしてデザインしたテキスタイルなどを展示します。

👉プーッコでパンを切るヴィルカラの手、
1970年代 © Pirjo Honkasalo.
Tapio Wirkkala Rut
Bryk Foundation Collection /
EMMA – Espoo Museum of Modern Art
造形の園
神話性を帯びたガラスのオブジェや、積層合板の木目を活かした有機的な造形、そして金属や木による鳥の像には、プロダクトとは異なるヴィルカラの自由な表現や制作姿勢が見られます。繊細にしてダイナミックなフォルムの競演を楽しんでいただきます。
ヴェネチアの色
ガラス制作の長い歴史をもつヴェネチアのムラーノ島において、ヴィルカラは1960年代半ば以降、ガラス工房ヴェニーニの職人らと協働制作を行いました。ヴェネチアン・ガラス最大の魅力である多彩な色をふんだんに採り入れた作品を紹介します。

👉《ボッレ》1967年
Tapio Wirkkala Rut Bryk
Foundation Collection /
EMMA – Espoo Museum of
Modern Art. © Ari Karttunen / EMMA
世界の果てへ
ヴィルカラが多くの時間を過ごしたラップランドで、溶けおちる氷に着想を得て生みだしたのが「ウルティマ・ツーレ」のガラスシリーズ。最終章では、約300個のガラスのインスタレーションと、全長9メートルにおよぶ同名の木彫レリーフのデジタル映像によって、彼が追い求めた世界の果てのイメージに近づいてみます。

👉《ウルティマ・ツーレ(ドリンキング・グラスのセット)》
1968年 Tapio Wirkkala Rut
Bryk Foundation Collection /
EMMA – Espoo Museum of
Modern Art. © Ari Karttunen / EMMA
Information
基本情報
展覧会名 | タピオ・ヴィルカラ 世界の果て |
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会場 | 東京ステーションギャラリー |
住所 | 100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 (JR東京駅 丸の内北口 改札前)Google Map |
入館料 | 一般(当日)1,500円 高校・大学生(当日)1,300円 一般(前売)1,300円 高校・大学生(前売)1,100円 *中学生以下無料 *前売期間は2025年3月1日から4月4日まで、 オンラインチケットで販売 *障がい者手帳等持参の方は 入館料から200円引き(介添者1名は無料) *学生の方はご入館の際、 生徒手帳・学生証をご提示ください |
主催 | 東京ステーションギャラリー [公益財団法人東日本鉄道文化財団] |
企画協力 | エスポー近代美術館、 タピオ・ヴィルカラ ルート・ ブリュック財団、ブルーシープ |
特別協力 | イッタラ |
後援 | フィンランド大使館、 -フィンランドセンター |
協賛 | T&D保険グループ |