開催概要
解き放たれた、自由な輝き。
20世紀はじめ、ポール・ポワレが嚆矢となり、シャネルによって広く普及したコスチュームジュエリー。宝石や貴金属といった素材の既成観念から解放され、優れたデザインや衣服との組み合わせの魅力によりパリのモード界を席巻、やがてアメリカへも伝わりました。
ディオールやスキャパレッリなどオートクチュールのコレクションのために生み出された作品はもちろん、それらのブランドからの依頼も受けたジュエリー工房による精緻なネックレスやブローチに、リーン・ヴォートランやコッポラ・エ・トッポらによる独創的な逸品、そしてミリアム・ハスケルやトリファリに代表される、幅広い層に支持されたアメリカン・コスチュームジュエリーまで。
国内随一のコレクションから選りすぐった400点あまりの作例を通じて、コスチュームジュエリーの展開を包括的に紹介するとともに、各デザイナーが素材の自由を獲得することで生み出した、それぞれの様式美を探ります。
展覧会について
開催期間:2024.9.8(日) —12.15(日)
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休 館 日:月曜日、9月17日[火]、9月24日[火]、10月15日[火]、11月5日[火]
*ただし9月16日[月]、9月23日[月]、10月14日[月]、11月4日[月]は開館
観 覧 料:一般1,000円(800円)、大学生・高校生800円(640円)、中学生・小学生600円(480円)
※( )内は20名以上の団体料金
主 催:宇都宮美術館、下野新聞社
監 修:小瀧千佐子
見どころ
1. オートクチュー ル のコスチュームジュエリー
第1章では、コスチュームジュエリーの先鞭をつけたデザイナー、ポール・ポワレのマスクが出迎えます。細かなガラスビーズなどを 繊細に縫い付けた夜会用マスク「深海」は、デザイナーの自由な発想とそれを支える職人たちの技術の協働がもたらす豊かなコスチュームジュエリーの黎明を象徴しています。シャネル、ディオール、スキャパレッリらポワレに続く革新的なデザイナーによって監修された作品群を通観します。
2. ヨーロッパのコスチュームジュエリー
第2章では、ヨーロッパの様々な工房によるクチュールジュエリーを集積します。独自のガラス技法を駆使したメゾン・グリポワ、ヴェネチアンビーズを効果的に使用したコッポラ・エ・トッポなどの工房によるオリジナル作品だけでなく、シャネル、ランバンなどのオートクチュールメゾンへ提供された作品も一堂に会します。新しい素材、技法によって生み出された、ファインジュエリーの模倣に縛られない、自由なデザイン・質感をお楽しみいただけます。
3. アメリカのコスチュームジュエリー
第3章では、 ヨーロッパから伝播し浸透していくなかで、素材やモチーフなどにおいて 自由でユニークな発展を遂げたアメリカのコスチュームジュエ リーを紹介します 。優雅で穏やかなデザインのミリアム・ハスケルや、映画を通して羨望の的となった煌びやかなジョセフ・オブ・ハリウッドなど、その幅広いスタイルを示します。また、多様な素材の作品に着目したコーナーでは、意匠の奇抜さだけでなく、新しい可能性を模索したデザイナーたちの自由かつ貪欲な姿勢が読み取れます 。
4. ドレスとコスチュームジュエリーのコーディネート
本展は2023年10月から始まった巡回展です。本展4会場目となる宇都宮美術館では、新たにシャネル、ディオール、イヴ・サンローランのドレスやスーツを紹介します。ドレスに合わせてコーディネートしたコスチュームジュエリーをともに展示する試みも見どころの一つです。