「ざぼんに刃をあてる刃を入るゝ」 24cm×34cm 2021年
近代俳句の忘れられた革命家、河東碧梧桐の俳句から一〇九句を選び書に認めたもののひとつ。
石川九楊大全
書家 石川九楊(いしかわ・きゅうよう)の仕事の全容を見せる連続個展「石川九楊大全」(いしかわきゅうよう・たいぜん)を上野の森美術館(東京)で開催しますのでお知らせいたします。 *会期:2024年6月8日(土)〜2024年7月28日(日) 「石川九楊大全」は、書表現により時代を反映した作品を書き続けてきた石川九楊の創作の全容を明らかにする連続展です。現在における「書く」行為とその先に見えてくるものを問う、大規模展覧会となります。
展覧会の見どころ
一作家による二ヶ月間、連続開催の大型個展
本展では、作品の全容を展示するために会期をひと月ごとに分け、展示作品を全面的に入れ替えた、2つの異なる展覧会を開催します。
6月開催の【古典篇】では「歎異抄」「源氏物語」や「徒然草」、中国の「李賀」の詩など古典に取り組んだ作品や、「千字文」を盃1,000枚に綴った「盃千字文」などが並びます。
7月開催の【状況篇】では現代作家や自作の詩文の言葉を書いた作品を展覧いたします。
また聖書を書いた85mの大作「エロイエロイラマサバクタ二又は死篇」も展示されます。本作は、2017年上野の森美術館で行われた「書だ!石川九楊展」において多くのメディアで紹介され、評判を呼びました。
多数の未発表作品の展示
今まで展示することのできなかった作品や、「妻を語る」シリーズ、「河東碧梧桐109句選」、「戦後史編」シリーズなどから新作を多数出品いたします。
【古典篇】、【状況篇】いずれにおいても大型の新作作品を発表する予定です。
さらに今後も、展示内容について発表を予定しています。
源氏物語書巻五十五帖「若菜 上」
59cm ×94cm 2008年
石川九楊作品について
石川九楊作品は、2020年、東京都現代美術館(MOT)でアンリ・マティス等との「ドローイングの可能性」が企画開催されるなど、書という領域をこえて現代美術の領域からも高い評価を受けています。「書」という営みを解明した石川九楊の「筆蝕論」は、書論・書史論にとどまることなく、表現論、日本語論、さらには現代を読み解く文化・文明論へと展開を見せており、英語・中国語にも翻訳されるなど、海外からも注目を集めています。
エロイ・エロイ・ラマサバクタニ
270cm×341cm 1972年
石川九楊(いしかわ・きゅうよう)
書家。1945年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。京都精華大学教授、文字文明研究所所長を経て現在、同大学名誉教授。 「書は筆蝕の芸術である」ことを解き明かし、書の構造と歴史を読み解く。評論家としても活躍し、日本語論、日本文化論は各界にも大きな影響を与える。 作品制作・執筆活動、いずれの分野でも最前線の表現と論考を続け、制作作品は二千点以上、著作刊行は百点以上を超える。
「全顔社会」の恢復を願って
60cm×95cm 2022年
開催概要
展覧会名
石川九楊大全
会期
石川九楊大全 前期【古典篇】 遠くまで行くんだ / 会期:2024年6月8日(土)〜6月30日(日)
石川九楊大全 後期【状況篇】 言葉は雨のように降りそそいだ / 会期 :2024年7月3日(水)〜7月28日(日)
休館日
*7月1日(月)、7月2日(火)は展示替えのため休館
開館時間
10:00〜17:00(最終入館時間 16:30)
入館料
当日券 一般・大・高生 2,000円
前売券 1,800円
前期【古典篇】6月8日〜6月30日、後期【状況篇】7月3日〜7月28日 それぞれに入場券が必要です
お得な「セット券」(2枚で3,000円。前売のみ・数量限定)一般2枚セット販売となり、大変お得に購入できます。お二人で入場の方、またはお一人で会期中2回入場いただく方にお得なチケットです ※予定枚数になり次第販売終了
※中学生以下は入場無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
※ぐるっとパスをお持ちの方は、上野の森美術館チケット売り場で当日料金から100円引き
※上野の森美術館友の会会員証/アートスクール共通会員証をお持ちの方は、上野の森美術館チケット売り場で当日料金から200円引き